6月9日、香港で湧き上がった逃亡犯条例改正案に反対するデモの巨大な人波。香港返還後、最大規模というその盛り上がりが、世界を驚かせた。2014年に行政長官の民主選挙を求めて学生が立ち上がった「雨傘運動」の「敗北」で、一時は無力感すら漂った香港の人々が、なぜ再び立ち上がる気力を取り戻したのか。 逃亡犯条例は、犯罪者の引き渡しに関する各国との取り決めを定めたもので、今度の改正ではあらたに中国が適用対象になる。今年2月に香港政府から立法会(議会)に提案され、今年7月までの可決を目指す政府と、それに反対する市民との間で、攻防が続いている。