また委員の1人である著名な人口学者は、少子化は未婚化・晩婚化が主たる原因で、従って「結婚後の問題」であるワークライフバランスは少子化対策上重要でないとしている。彼は大学の研究室のブログでも、少子化対策は待機児童問題や育児支援ではなく、未婚者の結婚への支援を中心にすべきだと強く主張している。昨今の『婚活・街コン推進議員連盟』などの活動もこのような考えの影響の産物である。彼の意見が「意図せざる結果」論なのは、女性が結婚後に起こることを予測して結婚に関する選択をしているとは考えず、結婚後の状況の改善は少子化対策として無効とみなしていることだ。 問題は未婚化・晩婚化が少子化の原因なのかどうかという点だ。確かにその委員自身や他の人口学者が示したように未婚化・晩婚化は婚外出産率の極めて低いわが国では少子化と強く連動している。初婚率の変化が出生率の変化の大部分を「説明する」というのも事実であり、それが晩