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エジプトで、民主革命によって成立した政権が軍によって潰されたというような話があります。 まあ、ありがち日本人的常識では、自由な言論を銃が潰したのが、とっても怪しからんという話なんだろうけど、私はべつのものを見ます。 経済が高度に成長した、いわゆる先進国以外の国(仮に「途上国」と称します)が、経済発展をさせて国として自立していこうとするときに、何をするかというと、先進国の技術を取り入れようとするのです。そのときに、ほとんどのまともな途上国は、軍隊と、教育に、先進国の技術を入れようとします。軍隊は、その国の独立を保つため。そして、教師は、国民の教育レベルを上げるためです。例に漏れず、明治の日本も、同じことをしました。学問の本流をゆき、国家の指導層を育てるべき帝国大学のほかに、陸軍幼年学校や師範学校を設立しました。そして、幼年学校や師範学校の学費は、意図的にただにされました。そのことにより、貧民
2012/9/269:0 「幻惑する知」に抗するために〜オウム・ポストモダン・死生観 大田俊寛×山形浩生 大田氏 山形氏 (撮影 / エスクリエイティブフォト) ■近代の構造的矛盾 大田 少し大きな話になりますが、私は近代の構造そのもののなかに、「反近代主義」を生み出してしまう要素が潜んでいるのではないかと考えています。近代の良い点、成功した点は間違いなくあるわけですが、実はその近代の長所や成功そのものが、弱点や難点を生み出す原因にもなっているという、ある種のジレンマのような構造になっているのではないでしょうか。中世から近世になると、平均寿命は若干伸びましたが、それでも四〇歳から五〇歳程度にとどまっていた。ところが近代になって、国家福祉・経済機構・科学技術などが進歩することにより、人間はなかなか死ななくなりました。平均寿命は八〇歳くらいに伸び、一九世紀初頭に一〇億人であった
2012/6/229:0 現代民主主義の困窮を希望にすり替える:山崎望「来たるべきデモクラシー――暴力と排除に抗して」書評 吉田徹 民主主義がかつてのような輝きを失ってから久しい。2000年代のページがめくられてから、大きな問題として浮上してきたのが、民主主義という政治制度に対する疑念や不信である。冷戦の終焉によって、民主主義は揺るぎない原則となり、世界大に拡大した。その途端に民主主義が苦難を抱えるようになったというのは、皮肉としか言いようがない。 例えば、「アラブの春」でチュニジアやエジプトといった国は、絵に描いたかのように、そして多くの民主主義者の理想を体現するかのように、大衆蜂起によって民主化を成し遂げた。しかし、その途端にイスラム主義勢力が台頭し、選挙で多数を占めるような状況を迎えようとしている。民主化は民主主義とイコール、少なくとも世俗的な民主主義のイメージと異なるものを生もう
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