筆者の思いつく限り、日本において、近年のデフレと不況の中でも値上がりし続けてきたのが、投資信託の手数料と大企業の社長の報酬の2つだ。投資家にとっても、株主にとっても、喜ばしくない環境にあって値上げを行ったのだからどちらもたいしたものだ。 両者のうち、投信の手数料値上げは明らかに最終ユーザー(投資家)のためになっていないが、社長の報酬については、議論の余地がありそうだ。 東京商工リサーチの調査によると(6月28日時点)、上場企業の取締役で1億円上の役員報酬を得た者が、292人(167社)に及ぶという。 それでは、日本の社長の給料はなぜ上がったのだろうか。 日本のサラリーマン社長の報酬はじわじわ上がってきた 最大の理由は、おそらく米国のCEO達の高額報酬にさや寄せされたことではないか。 「数十億円単位がしばしばある米国の経営者達の報酬に比べるなら、我々が一億円位貰ったって悪くない」と日本の社長