佐世保で起きた女子高校生による同級生殺人事件の一報を聞き、加害女子生徒が捜査員に供述したとされる動機として「人を殺してみたかった」という言葉を耳にしたとき、とっさに二〇〇〇年に愛知県豊川市で起きた男子高校生による老女殺人事件を思った。その加害少年も動機を「人を殺してみたかった」と捜査員に語ったのだった。佐世保事件の加害少女の「人を殺してみたかった」という供述のあとに次々に報道される彼女の「言葉」や彼女の態度は、気味が悪いぐらいにすべて私が予想したもの通りだった。それは豊川事件の加害少年の語った言葉と瓜二つだったからである。正直、ゾッとした。 私は二〇〇〇年当時、家裁で審判を受け実相が封じこめられてしまう状況にあったこの事件をなんとかして掘り起こしたいという思いで取材を続けていた。少年法にのっとって家裁で保護処分になれば、事件の実相は封印されてしまう。 しかし私は、加害少年の膨大な「供述」を