12日に決まった税制改正大綱について、「企業優遇で家計に負担」「再分配が不十分」との報道もみられた。今回の改正の方向性はどうなっているのだろうか。 税制改正は与党で決められたが、なんといっても主導権を握ったのは自民党税制調査会だ。かつては権勢を誇っていたが、小泉政権の時には経済財政諮問会議に押されて影が薄かった。そして民主党への政権交代によって忘れ去られた存在になっていたが、久々の表舞台である。 自民党税調の最大の特徴は、政治家でありながら、税の専門家集団だという点だ。会長の野田毅氏は大蔵省(現・財務省)OBであり、メンバーにも同省OBが多い。税の専門家である一方、狭い税制度分野の中で議論を完結させようとする傾向が強い。 これが露骨に出たのが自動車関連だ。自動車の購入時にかかる自動車取得税を減税すると同時に、軽自動車税を増税した。これはもともと自動車の購入時に消費税と取得税がかかるという二