人類の最良のパートナーである犬がオオカミから進化したことはよく知られています。 野生のオオカミは獰猛で攻撃的であり、人に近づくことはしませんが、約2万〜4万年前に一部の比較的大人しいオオカミたちが人間の食べ残しを漁りにやってきました。 その中で人とオオカミの交流が始まり、大人しい性格のオオカミ同士をかけ合わせることで、人懐っこくて穏やかな犬が誕生したのです。 オオカミの「家畜化」による犬の進化は何千年という長いスパンで起こりましたが、旧ソ連の遺伝学者だったドミトリ・ベリャーエフ(1917〜1985)はこう考えました。 「人の手で実験的に交配を操作することで、他の動物でもより短い期間で家畜化できるのではないか?」 こうして始まったのが「家畜化実験」です。 この実験は40年以上にわたって続けられますが、その結果、驚きの生物が誕生します。 目次 ソ連で遺伝学を研究するのは「死」を意味した⁈「家畜