公共のものである電波(周波数)をテレビ局は既得権益として「私物化」しているのではないか。そんな厳しい声が上がっている。「放送(テレビ)」の特別視は不要で、携帯電話・ネットなどの「通信」と放送とは融合していくとの見方もある。「情報メディア経済学」に詳しい東洋大学の山田肇教授に話を聞いた。 「道州制」をローカル局は先取りすべきだ ――共著「ネットがテレビを飲み込む日」(洋泉社)の中で、「放送は通信の技術革新を受け入れよ」の章を担当されています。通信・ネットは、放送・テレビを飲み込むのでしょうか。 山田 そうは思っていません。放送を通信にのせる技術革新はしっかり理解する必要があります。しかし、通信会社とテレビ局は分業化したビジネスモデルの構築が可能だし、実際分業化していくだろうと思っています。 ――どう分業化するのでしょうか。 山田 単純に図式的に言うと、テレビ局はコンテンツをつくることを柱とし