女性ホルモン「エストロゲン」の記憶改善効果の一端を解明 -慢性脳循環障害の遺伝子改変で性差、女性の脳は男性より記憶障害に強い- ポイント 脳循環障害モデルマウスは、脳血管の破壊や梗塞なしに脳アストロサイトが膨張 アストロサイトが膨張した脳組織は、神経突起が萎縮しシナプスが減少 エストロゲンはアストロサイトの膨張を抑制し、記憶学習機能を回復 要旨 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、女性ホルモンであるエストロゲン※1が、脳血管を拡張し脳循環を回復することで、記憶を改善する機能を発揮するという、分子メカニズムの一端を解明しました。理研脳科学総合研究センター(利根川進センター長)山田研究ユニットの山田真久ユニットリーダーと北村尚士テクニカルスタッフらによる研究成果です。 慢性脳循環障害を引き起こすアセチルコリン※2受容体遺伝子欠損マウスを、電子顕微鏡画像などで解析したところ、脳循環(脳