人やマウスの免疫遺伝子を変化させる能力を持つ酵素「AID」の発現のメカニズムを、京都大学大学院医学研究科の本庶佑客員教授(分子生物学)らの研究チームが突き止め、7日付(日本時間)の米科学誌「ネイチャー・イミュノロジー」(電子版)に掲載した。AIDは、胃がん発症の際に発現することが確認されているが、この仕組みが解明されたことで、がんの発症を抑える医療技術につながる可能性が出てきた。 研究チームは、AIDの遺伝子のDNAなどを調査、分類した。その結果、AIDの発現を抑制する▽逆に発現を促進させる▽抗体をつくる「Bリンパ球」の中にあるときだけ、発現を促進させる−の3種類のタイプがあることが判明した。 病気などで体内に抗体を多くつくった場合、Bリンパ球が活性化し、多くのAIDが発現することが確認されていたが、今回の研究で、この際に、促進の機能を持つ2つのDNAが、抑制機能のDNAよりも多く発現して