感染やガン、あるいはアレルギーで、抗原はわかっているのだが、それに対してどのT細胞受容体(TcR)が反応してくるのかを予測することは簡単でない。もともと、ランダムに再構成を遂げたTcRの組み合わせの中から選ばれることを考えると、予想不可能だろうと諦めているところがある。しかし、抗原とTcRの結合は化学的な分子結合であれば、必ず何らかの法則性が存在するはずだ。 今日紹介するメンフィス・セントジュード病院からの論文は、一つの抗原エピトープに対するTcRの遺伝子配列を比べることで、TcR側の法則性が見つからないかという重要な問題に挑戦した論文でNatureオンライン版に掲載された。タイトルは「Quantifiable predictive features define epitope specific T cell receptor repertoires(特定の抗原エピトープに対するTcRレ