東京大と筑波大の研究チームは、眼球の中を満たす「硝子体」に代わる人工組織を世界で初めて開発したと発表した。これを使えば、網膜の手術後1週間程度は下を向いて過ごさなければいけない不便を解消できるという。ウサギで有効性を確かめており、2、3年後には人で治験を始めたいとしている。 東京大の酒井崇匡(たかまさ)准教授(高分子科学)らが9日付の英科学誌「ネイチャー・バイオメディカル・エンジニアリング」(電子版)に発表した。 硝子体は眼球内の大部分を占めるゼリー状の組織。国内で年間約10万人が受けていると推計される網膜の手術では最初に取り除き、最後に代わりのガスかシリコンオイルなどを眼球内に入れて患部を固定する。