点の辞書引き 知らない単語だけを辞書で引くことは、ある本だけを見に/借りに図書館に行くことと対応している。 線の辞書引き たどる辞書引き。 定義や例文の中の単語を更に引いていく。あるいは関連のある単語を追いかけて引く。 辞書は(理想的には)閉じている。 つまり辞書に登場する言葉は、すべて辞書の内で説明される。 理想の辞書においては、たどる辞書引きは、辞書の外へと出ることがない。 一冊の辞書のなかで、どこまでもたどり続けることができる。 面の辞書引き しかし現実の辞書には破綻がある。 追跡の手がかりがどこかで途切れるだけではない。 巡り巡って、また最初の場所に戻って来れるとは限らない。 そればかりか、ある項目と別の項目の記述同士が食い違い矛盾し合う場合がある。 このことを発見する人は、辞書の中に張り巡らされた「つながり」をどことん追い続けたのだ。 そこは、線の辞書引きの果てに行き着くかもしれ