e-文書法の施行などによりニーズの拡大が見込まれるOCR市場だが、応用範囲は着実に拡大している。認識速度や精度の向上に加え、従来は対応できなかった帳票も認識できるようになっており、さまざまな業種や業務に適合したデータエントリシステムとして、OCRは改めて評価されている。 OCRの新用途を開拓 OCRといえば、専用用紙にいわゆるOCR文字といわれる独自の文字を書き込み、それを読み取るというのが一般的だった。認識精度を上げるためには、ユーザーがさまざまな制約を受けながら文字を記入する必要があったのだ。 しかし現在は、複雑な罫線フォーマットの帳票に書き込まれた文字も認識できるようになっている。これによってOCRの市場は格段に広がった。契機になったのが、医療事務には欠かせない診療報酬明細書(レセプト)の読み取りだった。 日本の健康保険制度の下では、医療機関は患者を診療した後、社会保険の支払基金と国
