テック業界に新しい用語が登場した。「ZIRP」だ。 ZIRPは「zero interest rate phenomenon(ゼロ金利現象)」の略語で、長年、手厚い福利厚生、高給、安定の代名詞だったテック業界の激変を表す言葉として最近、頻繁に登場している。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレを抑制するために2022年から一貫して金利を引き上げたため、支出についてあまり気にしていなかった企業はコストを絞り始めている。 テック企業の手厚い福利厚生の歴史は、過去の異常事態のように思えるようになった。「ムーンショットプロジェクト」(挑戦的な取り組み)はZIRP時代の遺物だ。そして、無料の食事、託児所、ランドリーサービスも同様。テック企業を数十万ドル(数千万円)の給料で渡り歩く? それもZIRPだ。 テック企業で働く人たちは、ZIRP時代が終わった事実を認識しつつある。かつては成長しか頭になかった
