国際原子力機関(IAEA)は、東日本大震災で被災した東北電力女川原子力発電所(女川町、石巻市)を視察した結果をまとめた最終報告書を公表した。公表は8日。報告書は「損傷は意外にも少なかった」と女川原発の耐震性を評価した一方で、津波の想定が甘かったことや、今後の余震を考慮した長期的な対策を講じる必要性を指摘した。 公表された「東日本大震災と津波後における女川原発のシステムや構造物、設備の性能を調査するためのIAEAミッション」と題した報告書は、まず女川原発の耐震性について言及。 「長く続く巨大な地震の揺れに襲われたにもかかわらず、構造物、システム、機器は大きな損傷を受けず、正常に機能を発揮した」と評価した。そのうえで、現在の女川原発の設計基準であれば、東日本大震災級の他の地震でも耐えられるとした。 一方、津波のリスクを過小評価していた点を指摘。「(女川原発で)想定していた津波は、もっと小さなも