“聖なる価値” なんにでも値札が付く社会で、それでも人間が抱く「神聖視したものを金に交換したくない」という心理柳澤氏は、推し活やファンダムに対して“聖なる価値”という視点から研究をおこなっているそうです。ここで言う“聖なる価値”を理解するためには、まずこの言葉の前提となる社会への認識を知るのがよいでしょう。 その社会とは「なんでもお金さえあれば基本的に手に入る」、「人間の思いやり、ケアも含め、全てに値段が付く」、「労働者は入れ替わり可能」、「自分の価値、生きている意義を見出しづらい」というものであり、こういった現代社会を柳澤氏は総じて「市場経済が全面化」していると表現しました。 柳澤氏は、すべてのものに値段が付くようになったこの社会のなかで、なぜか人間には「自身が神聖視したものを金に交換したくない」という心理が見られると語ります。その心理を概念化したものが、“聖なる価値”とのこと。 この聖