化学最大手の三菱化学は平成6年10月に三菱化成と、三菱油化が合併して誕生した。 三菱化成は昭和9年に三菱鉱業(現三菱マテリアル)と旭硝子の折半出資で設立された日本タール工業が前身だ。当時の三菱本社社長は、グループの基礎を作ったといわれる三菱4代目社長の岩崎小彌太。事業ごとに分社化を進め、日本タール工業以外にも、大正6年に三菱造船(三菱重工業)、7年に三菱商事と三菱銀行、昭和8年には新興人絹(現三菱レイヨン)などを相次ぎ設立。重化学工業を主軸に「技術の三菱」を構築した。 化学事業の中核である三菱化成は、昭和28年に東邦化学工業を合併し、39年に水島(岡山県倉敷市)、44年に坂出(香川県坂出市)、53年に鹿島で次々に工場を建設し、石油化学トップの礎を築く。 三菱化学は、石油化学製品の基礎原料となるエチレンの年間の生産能力で約130万トンを誇る。