【台北=西見由章】台湾で、中国と呼応して台湾政府の転覆を計画したとして、相次いで退役将校が摘発された。今月20日には台湾北部の防衛を担う陸軍第6軍団を率いた元副指揮官の退役中将が国家安全法違反罪で起訴され、「中国のスパイとしては最高位の将校」(台湾メディア)と注目を集めた。国家安全にかかわる事件の8割超は退役した軍人や警察官が関与しているとされ、頼清徳政権は中国の浸透工作への対応が急務となっている。 検察当局によると、退役中将の高安国被告ら6人は2018~24年、中国に渡航して中国軍の諜報機関関係者と接触。その指示や資金援助を受けて台湾に武装組織を立ち上げ、中国による台湾侵攻の際に武装蜂起することを計画したとされる。主犯の高被告については懲役10年以上の判決を求める意見が付けられた。 台湾紙の自由時報によると、高被告は台湾の官公庁への攻撃のほか、政府要人や軍、警察関係者の殺害、軍事拠点の破