「Domain-Driven Design」通称「DDD」の原著が出版されたのは、2003年のことだった。Kent Beck氏が賛辞に寄せた「思慮深いソフトウェア開発者全員の必携書」という言葉が示している通り、英語圏では圧倒的な支持を集め、出版から7年が経過した現在でも、Yahoo! Groupsのメーリングリストでは活発な議論が交わされている。 一方、日本では少し状況が異なる。識者の間では、有用な書籍として早くから知られていたものの、500ページ超という厚さと、文体の難しさが、多くの日本人エンジニアの挑戦を阻んできた(邦訳も待ち望まれたが、長い間出版されなかった)。 佐藤匡剛氏による「Domain-Driven Designのエッセンス」、徳武聡氏による「DDD Quickly 日本語版」をはじめ、日本語の情報は少なからず存在したし、国内での実践事例も徐々に蓄積されていたものの、本質的に
