東京都渋谷区議が、区議全員による協議会の場で、海外視察先のドイツの連邦議会で受けたセキュリティーチェックの厳しさを「ナチスのガス室のようだった」と発言した問題で、前田和茂区議会議長(自民)は九日の本会議で「発言は不適切で、遺憾。全員協議会の招集責任者として謝罪申し上げる」と謝罪した。発言した佐々木弘明区議(無所属渋谷)の謝罪はなかった。 複数の区議によると、本会議冒頭、五十嵐千代子区議(共産)が、佐々木区議の謝罪を求める決議案の動議を提出。共産、民主など十三人が賛成したが、与党側の自民、公明など十八人が反対し、否決された。佐々木区議も反対した。 賛成した区議は、ドイツ国民を愚弄(ぐろう)する発言などと公開の場での謝罪を求めていた。野党議員によると、今後、各会派の代表者を集めた非公開の会合で佐々木区議に謝罪させ、幕引きを図る案も出ているという。