2014年6月25日未明。横浜にある理化学研究所統合生命医科学研究センターの遠藤高帆上級研究員は、3日前に若山照彦山梨大学教授から届けられたSTAP幹細胞「FLS」に関連する遺伝子配列データを見ていて、奇妙なことに気づいた。FLSは、小保方晴子氏が作ったSTAP細胞から若山氏が作製したもので、STAP細胞にはない増殖能力を備え、目印としてマウスの全身で緑に光る蛍光たんぱく質の遺伝子が入っていた
2014年6月25日未明。横浜にある理化学研究所統合生命医科学研究センターの遠藤高帆上級研究員は、3日前に若山照彦山梨大学教授から届けられたSTAP幹細胞「FLS」に関連する遺伝子配列データを見ていて、奇妙なことに気づいた。FLSは、小保方晴子氏が作ったSTAP細胞から若山氏が作製したもので、STAP細胞にはない増殖能力を備え、目印としてマウスの全身で緑に光る蛍光たんぱく質の遺伝子が入っていた
検証チームは、細胞が刺激によって初期化し、多能性を獲得する「STAP現象」が存在するかを確かめるため、万能細胞の目印となる遺伝子が発現すると緑色に光るように(GFP緑色蛍光)遺伝子操作したマウスの細胞を使って実験した。相澤慎一氏がチームリーダーを、丹羽仁史氏が副チームリーダーを務め、小保方氏も研究員として参加した。 小保方氏は、脾臓由来のリンパ球を塩酸で刺激し、多能性を確かめる実験を行った。緑色に光る細胞塊は検出したものの、その数は論文に書かれた数より1けた少なく、多能性は確かめられなかった。丹羽氏は、肝臓と心臓の細胞を酸やATP(アデノシン三リン酸)で刺激する方法を試し、緑色に光った細胞塊を検出したが、多能性は確かめられなかった。 細胞塊に多能性があれば、別のマウスの胚に移植すると、両方の遺伝子を持つ「キメラマウス」(キメラ胚)ができる。これを確かめるため、小保方氏の実験で作成した細胞塊
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