1.フロイトの扱いが不当だ アドラー派にかぎらず、たいてい「新しい」ことを標榜する心理療法などは(アドラーは新しくないけど)、「精神分析は」「フロイトは」「トラウマ原因論は」などという主語を使って、「仮想敵」をでっち上げるのものだけど、この本でも同じような論述テクニックが使われている(テクニックというか詐術だけど)。 とうぜんながら、この本で「原因論」として棄却されている「フロイト的原因論」は、フロイト派の精神分析とはなんの関係もない。 フロイト派は明確にトラウマ説を否定しており、そのせいで「出生外傷」をとなえたオットー・ランクのような有能な精神分析家はフロイト派を破門されている。 フロイト自身は、ランクの説を、「けっこう、いいんじゃね?」って思ってたんだけど、周囲の反論が激しかったから、しぶしぶ破門せざるをえなかったらしいけれど。 ちなみにぼくは、フロイト、ラカンに次いで、オットー・ラン
池谷裕二さんの『脳には妙なクセがある』を読みました。 目次: 1. IQに左右される―脳が大きい人は頭がいい!? 2. 自分が好き―他人の不幸は蜜の味 3. 信用する―脳はどのように「信頼度」を判定するのか? 4. 運まかせ―「今日はツイテる!」は思い込みではなかった! 5. 知ったかぶる―「○○しておけばよかった」という「後知恵バイアス」とは? 6. ブランドにこだわる―オーラ、ムード、カリスマ…見えざる力に動いてしまう理由 7. 自己満足する―「行きつけの店」しか通わない理由 8. 恋し愛する―「愛の力」で脳の反応もモチベーションも上がる!? 9. ゲームにはまる―ヒトはとりわけ「映像的説明」に弱い生き物である 10. 人目を気にする―なぜか自己犠牲的な行動を取るようにプログラムされている 11. 笑顔を作る―「まずは形から」で幸福になれる!? 12. フェロモンに惹かれる―汗で「不安
「原稿書かなきゃいけないんだけどなぁ」とか言いながら現実逃避で読んでいた本「心は病気―役立つ初期仏教法話〈2〉」に心に刺さる言葉があったのでここに書いておく。 正確な引用ではないので、正確な言葉が知りたければP.60から3ページくらいを読むとよい。 人間が自信をなくす原因は、自信の持ちすぎである。 自分が「この程度の仕事サクッと終わらせられる」と思っているのに、実際にやるとうまくいかないとき、人は自信をなくす。 「抜群のスピーチをしよう」と思って、実際にはうまく喋れなくて、自信をなくす。 妄想の中の自分が事実に反して素晴らしすぎるから、その「妄想の中の素晴らしい自分」が振る舞うように振舞おうとして、できないので苦しむ。 「自分の仕事に自信がない」というのは、奇跡的な成功を頭で妄想しているせい。現実の自分ができるようにしかできない。できることをすればよい。「自分は精一杯やった」と思える状態を
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