「この計算結果をCSVファイルに出力する時に値段をファイル名に入れるってあるんですが、半角の¥マークはファイル名に入りませんよ」 「設計書はハンコもらっちゃったのでなんとかお願い。」 「全角なら大丈夫ですが」 「設計書に半角って書いてあるし、変更したらこちらの瑕疵になるから、なんとかお願い」 「…マイクロソフトに掛け合ってください…」
連載目次 前回に続いて、納入したシステムの不具合を瑕疵(かし・欠陥)と裁判所が判ずる材料がどのようなものであるかについて説明する。前回は、仮にシステムに不具合があっても、それをベンダーが早期に補修するか代替案を提示するなど、専門家として果たすべき責任を果たしていることが認められれば瑕疵とは判断されず、ユーザーの損害賠償も認められないという趣旨の判例について説明した。 もちろん裁判所は、不具合にまつわる外的な要因だけを見て、損害賠償の対象となる瑕疵であるかを判断するわけではなく、不具合の内容もよく吟味している。今回は、裁判所が注目するポイントを説明しよう。 契約の目的に照らして判断した事例 まずは、以下の判例を見ていただきたい。 【事件の概要】(東京地裁 平成16年12月22日判決より抜粋して要約) あるユーザー企業がベンダーに販売管理システムの開発を委託したが、納入されたシステムには以下に
うちの会社は、基本的に受託開発の会社ですが、自社サービス開発の両立を目指しています。その取り組みの一つとして、今年の5月、boardという受託ビジネス向けのクラウド型業務システムのベータ版をリリースし、8月に正式リリースしました。 昨年、PattoというスマホアプリCMSをリリースしていましたが、これはどちらかというとソリューション型の製品のため、今回のboardが、うちとしては初めての本格的なWebサービスです。 ベータ版リリースから約5ヶ月、正式リリースから2ヶ月が経ったところですが、これまでにぶつかった課題について書いてみたいと思います。 まとまった開発時間がとれない 当然ですが、できるだけ早く開発して、早くリリースしたいという思いがあります。しかし、基本的に受託開発を止めて自社サービスの開発をしていたわけではないため、1ヶ月がっつりとboardの開発をする、ということができませんで
ヴェルクでは、受託開発を軸にしながら、自社開発を行っていくスタンスで仕事をしています。その狙いや取り組みについては、以前書いた「起業して3年でやってきたこと」や「受託開発脳から自社開発脳へ切り替えの7つの壁」などに詳しく書いているので、ご参考までに。 今回は、この取り組みを維持するために行っている工夫について書きたいと思います。 受託開発できちんと収益を上げる体制を確立する ヴェルクはVCから出資を受けているわけではないため、自社開発を行うための資金は自分たちで稼ぐ必要があります。非常にシンプルで、「稼げなければ好きはものは作れない。」基本的にこのスタンスです。 そのため、まずきちんと利益を確保できる体制を確立・維持に全力で取り組みます。 とは言え、受託開発は労働集約型なので、売上を上げるためには人数を増やさないといけないですし、人数を増やすとクオリティの維持が難しく、クオリティが下がれば
プログラマを一生の仕事に―と考えるソニックガーデンCEOの倉貫義人氏。人月ビジネスで時間を切り売りしているうちは、35歳定年説は覆せず、収入を上げるためにはマネジメントの道に進むしかない。人の管理ではなく、生涯プログラマであり続けるために必要な条件とは。 ▼ソニックガーデン代表倉貫氏へのインタビュー第1弾 “納品のない受託開発”とは何か?―ソニックガーデン代表 倉貫義人氏が全貌を語り尽くす。 プログラマを続けられる人、続けられない人。 「納品のない受託開発」というビジネスを確立したソニックガーデン。代表である倉貫氏は、「従来の受託開発は誰も幸せにできないモデル」と切り捨てる。倉貫氏の考える、新しいエンジニアの働き方とは何なのか。プログラマを一生の仕事にするために、必要な環境や能力とは。 人月商売は、エンジニアを馬鹿にしている。 ― 従来の受託開発モデルは、顧客・ベンダー・エンドユーザーから
受託開発という一般的なIT業界のビジネスモデルには、開発側が完成責任のリスクが負わされるため価格にリスク吸収用のマージンを載せざるを得ない点や、人月で工数やコストを計算するためにスケジュールの遅れをサービス残業で吸収せざるを得なかったり、値下げのために人件費が圧迫されたりといった課題が指摘されています。 こうした課題に対して「納品のない受託開発」という新しいビジネスモデルを提案し、実践しているのがソニックガーデンです。 納品のない受託開発とは、発注者と受注者がパートナーとなり、受注者はビジネスの立ち上げに必要なソフトウェアの企画開発から運用まですべてを請け負うスタイル。発注側は要件を開発者と相談しつつ固めていくことができ、しかも実際に動作するソフトウェアをすぐに入手できるため、利用者や市場の反応を確かめながらシステムを完成させていくことができるようになります。 ソニックガーデンの「納品のな
2013-07-23 人月 入社する前からずっと人月について考えてる。 10年くらいずっと人月disられてるのに何でなくならないのか疑問だったけど、詰まるところは発注側(顧客)がソフトウェアを定量化して評価できないから労働対価という形で契約を結ばざるを得ないんだと思う。受託開発は顧客がコミットしてくれないと絶対良いものにはならないし、現状そういう姿勢を持ってるのはネット系のスタートアップが多いからソニックガーデンとか永和の価値想像契約とかが成立するんだろう。 でも大企業とかは悲惨で、特に金融とかはディフェンシブかつ丸投げでヤバいと思う。でもそういうリスクの保険屋みたいな感じで大手SIerが食えてるのも確かだと思う。そういう意味ではNTTデータとANAが成果報酬契約を結んだニュースは面白いなーと。 でも上記の様なモデルは昔は良かったんだけど昨今は通用しなくて、人月単価はどんどん下がって
ぼく自身は多くのベンチャー企業とかよりよっぽど面白い仕事を「受託開発」でやってきているので(あ、もちろん「面白い」というのは主観的な問題だとお断りしておきますが)、ウェブ業界にはびこる「受託開発はダサい」という思想に強い反発を持ってきました。今日はそいつらをバッサリ斬ることにします。 ぼく自身は多くのダメなベンチャー企業とかよりよっぽど面白い仕事を「受託開発」でやってきているので(あ、もちろん「面白い」というのは主観的な問題だとお断りしておきますが)、ウェブ業界にはびこる「受託開発はダサい」という思想に強い反発を持ってきました。 今日はそいつらをバッサリ斬ることにします。 これまでに見聞きしてきた「受託開発が面白くない理由」を一つずつ取り上げて検証します。 × 受託開発なんて所詮「自分の事業」じゃないから自社事業がやりたい。 ○ 「受託開発」でも「自分の事業」としてコミットすることができる
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