3月1日、政府はNHKにインターネット業務を義務づける放送法改正案を閣議決定した。神戸学院大学の鈴木洋仁准教授は「NHKの悲願であるネット配信の『必須業務化』が実現する一方、新聞協会が批判してきた『独自コンテンツ』は廃止されることになった。こうした足の引っ張り合いが続けば、NHKも新聞も共倒れになるだろう」という――。 なぜ朝日・毎日は社説で怒りをあらわにしたのか 「NHK史上に残る愚を犯した経営委員長が退任する」。これは、2月26日の朝日新聞の社説の冒頭である。 NHKの最高意思決定機関である経営委員会の森下俊三委員長の退任にあたり、彼の言動を「とうてい理解できない」と評した上で、「経営委の暴走を許した土壌にメスを入れない限り、視聴者不在の構図は何も変わらないだろう」と社説を結んだ。 毎日新聞は、翌日2月27日付の社説で「反省しないまま去るのか」との見出しを掲げ、「ジャーナリズムの使命を