一昨日自民党本部で、ジェラルド・カーティス氏の講演を聞く貴重な機会があった。日頃私自身も感じていることが明瞭な言葉になった思いである。氏は最近の政治構造について2つの重要な変化を挙げられる。1つは顕著な官邸主導であり、他の1つは野党の分散・弱体化である。官邸主導には本来、官僚に対する主導と与党に対する主導があるが、大事なのは後者のほうだ。そう、以前にも書いたが、従来慣行として機能していた与党の事前審査が形骸化の一途にあるのである。 たしかに議会制民主主義の本家イギリスでは、政府=与党であり、与党の重要メンバーがそのまま政府の要員になっている。政府の要員になれない軽量メンバーは党の事務やらその他に携わる。いわゆるバックベンチである。ところが日本では、衆目の一致する財務大臣適任者が財務大臣になり、外務大臣適任者が外務大臣になるといったシステムにはなっていない(そもそもそういう人がいるのか自体も
樋口直人氏の『日本型排外主義―在特会・外国人参政権・東アジア地政学― 』をたいへん興味深く読んだ。 おそらく現在の日本の排外主義者(ネット右翼)の研究分析でもっともよくまとまったものだと思う。 西欧の先行する極右研究を参照しながら、特に現在流通している日本の排外主義者像を数値データを使いながら再検証する。特に、在特会を中心に30名以上の排外主義者のヒアリング(ライフヒストリー分析)から導き出した日本型排外主義者像とその形成要員の分析は、おそらく今後、排外主義者像を語る上でのベーシックなものとなると思われる。 以下、概要をまとめる。 【概要】 1.90年代に出現した歴史修正主義がまずは「マスターフレーム」である。 2.ネットへの接触とともに、その右派的マスターフレームに触れて、そこから排外主義フレームへ流れた。 3.そのため、もともとは「外国人問題」に不満やストレスがあったのではなく、嫌韓・
治大国若烹小鮮 おがた林太郎ブログ 衆議院議員おがた林太郎が、日々の思いを徒然なるままに書き綴ります。題は「大国を治むるは小鮮を烹るがごとし」と読みます。 日本ではさすがに関心を呼びませんけど、フランスで統一地方選挙が行われました。結果は与党の若干の退潮傾向と極右国民戦線の大躍進です。最初に解説をして、後半は日本との関係で思う事を書いていきます。 まず、フランスの統一地方選挙について説明します。とても特徴的なのです。 ● 自治体の数が無茶苦茶に多い:なんと37000弱あります。歴史的な経緯から、自治体の数が多く、その中の大半はとても小さな自治体です。なんと人口1人の自治体(南仏のRochefourchatという町)もあります。多分、私が住んでいる北九州市八幡西区の穴生地域だけで既にまあまあな規模の自治体と言えるくらいです。 ● 選挙は二回投票:一回目で過半数に行かなければ、得票率が10%を
自民党は25日、「領土に関する特命委員会」(額賀福志郎委員長)を党本部で開き、外務省が今月中旬にホームページで公開した日中、日韓関係の広報動画をめぐり意見交換した。出席者からは動画の内容について「優しすぎる」「納得できない」などの批判や苦言が相次いだ。 動画のタイトルは「日中関係の現在~戦略的互恵関係の発展を目指して」「未来志向の日韓関係を目指して」などの3種類。日中、日韓関係の立て直しに向けて作成され、英語のほか、それぞれ中国語と韓国語にも翻訳されている。 日本が経済支援などでどれだけ貢献したかを強調している場面もあり、出席者からは「日本が(カネを)出すのは当たり前だ、と思うかもしれない」との声が上がった。「第三国にも発信すべきだ」との意見も出されており、まだまだ工夫の余地はありそうだ。
何度も繰り返し書いてきたが、今年は仕事のため、日本の戦争映画ばかり観てきた。 PHP文庫『名将ファイル 秋山好古・真之』(isbn:4569664504)はその成果の「一部」が反映されたものだが、メインの成果の方があと一週間余り後に発刊になります。お待ちください。 要するに、ある企画で「大東亜戦争シネマガイド」ともいうべき項目を担当したわけだが、字数枠の関係で、惜しくも取り上げそびれた作品は少なくない。 その一本が、渥美清主演の『拝啓天皇陛下様』(1963年/松竹)である。 実はこの作品、執筆作業中、ビデオが出てないか探したが見つからず、皮肉にも、脱稿後に図書館のビデオライブラリーで発見して鑑賞したわけだが、実に惜しい! これは、可能であればぜひ取り上げるべきだったかも知れぬ。 本作品は、題名通り、現代の目では、うっかり軍国主義礼賛一辺倒かと思われかねぬ内容である。渥美清演じる主人公の山田
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く