ピグモン勝田という芸人を覚えているだろうか。1994年10月24日に亡くなった。 「大川興業」で大川豊総裁(58)が率いる集団芸の一員である一方、漫才コンビ「トーキング」で異才を放っていた。 死の前日、埼玉県新座市のスーパーの屋外特設舞台で事故は起きた。敷地内の木でぶら下がりパフォーマンスをしていたところ、突然枝が折れ、後頭部から落下。緊急搬送された。 駆けつけた取材陣に大川総裁は「勝田の無事を祈ってください」と声を振り絞ったが、願いもむなしく、翌朝息を引き取った。29歳だった。 追悼ライブが東京・中野サンプラザで行われた。湿っぽいことはまるでなく、こん身のパフォーマンスに芸人集団は汗し、はなむけとした。 そのエンディング。ステージ後方のスクリーンに、ピグモン勝田の映像が映し出された。BGMは、セックス・ピストルズのシド・ヴィシャスが歌う『マイ・ウェイ』だった。フランク・シナトラの名曲だが