相対論 現代においては、関係の集合体である精神の中のある一定の関係は浮遊して、他者との間に軽微な共有関係にあると言える。そういった関係は、大衆の間では関係全体の中のほんの一部ではなく、相当量の関係を意味する。それは近年の学校教育の徹底した相対主義教育がもたらした結果とも言えるのだが、普通一般のレベル(水準)のことがらについては、感情のマジョリティを構成する大衆が認知したもののみが相対的関係を持ち得るということを意味している。 つまり、現在の日本で行われている価値の相対化は、徹底的に相対的なのではなく大衆社会においてお互いに価値を認め合ったもののみが相対的価値を持つということである。価値を認め合ったといっても、深い思索があってのことではない。ただ、大衆間に漠然とでも理解できる、つまり大衆が説明可能なことがらに限られるということがポイントであり、訓練の後に習得できるある深みをともなった感覚や難