地上に天気予報が欠かせないように、宇宙にも天気予報=「宇宙天気予報」が欠かせない。と言っても、宇宙では雨は降らない。太陽から強烈な風が吹き、「嵐」を起こす。その大元は太陽面で起こる大爆発「太陽フレア」だ。 フレアが起こると、電磁波や高エネルギー粒子の放射線が光速か光速に近い速さで届く。宇宙で活動中の宇宙飛行士が被爆する危険性が高くなるし、人工衛星の回路などに故障を引き起こした例もある。宇宙だけではない。1989年3月の太陽フレアではカナダ・ケベック州で約600万人が被害を受けた。旅客機や漁船が使う短波による通信が不通になったり、GPS測位が使用不能になったことも。最大級の太陽フレアが発生すると、その経済的損失は2兆ドルに及ぶという報告もあるほどだ。 こんなに大規模なフレアが起こるのは10年に一度ほど。だから日常生活に影響ない、と思うかもしれない。だが、2012年7月には観測史上最大の爆発が