理化学研究所のスーパーコンピューター「京(けい)」が20日、実用性を評価する新たな計算速度ランキング「HPCG」で、世界2位になった。米ニューオーリンズで開かれているスパコンの国際会議「SC14」で発表された。1位は中国の「天河2号」、3位は米オークリッジ国立研究所の「タイタン」だった。 理化学研究所によると、HPCGは産業利用などでの実際の計算に近い評価手法で、計算だけでなく、データの転送や保存なども含めた総合的な速度を競う。「京」は今回、1秒間に461兆回の計算をした。トップの天河2号は632兆回、3位のタイタンは322兆回だった。 スパコンの性能評価では、単純計算の速度を測る「TOP500」が有名。テネシー大のジャック・ドンガラ博士が開発した、連立1次方程式を解く「LINPAC」という手法で競うものだが、スパコンの性能の多様化により、近年、これに代わる評価手法の開発が求められていた。
【2014年4月21日 国立天文台天文シミュレーションプロジェクト】 スーパーコンピュータ「京」を用いた研究から、重い星が重力崩壊して最期を迎える超新星爆発はニュートリノ加熱によって起こる可能性が示された。京の高い能力を活かし、より現実に近い設定でシミュレーションを行った成果によるものだ。 シミュレーションを元に描かれた超新星爆発のイメージ図。クリックで拡大(提供:国立天文台。以下同) 大質量星の重力崩壊の模式図。(a)→(d)の順に時間経過する。「ニュートリノ加熱説」は、一度は勢いを失った衝撃波がニュートリノ(図中「ν」)による加熱で復活するというもの。クリックで拡大。リリース元では動画も見られる 国立天文台の滝脇知也さん、福岡大学の固武慶さん、京都大学の諏訪雄大さんらの研究チームは、スーパーコンピュータ「京」を用いて超新星爆発の大規模数値シミュレーションを行い、大質量星が最期を迎える重
English PRESS RELEASE (サーバ) 2014年4月7日 富士通株式会社 JAXA様がスーパーコンピュータシステムを刷新 当社の「PRIMEHPC FX10」後継機を採用 当社はこのほど、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(理事長:奥村 直樹、所在地:東京都調布市、以下、JAXA)様の新スーパーコンピュータシステムとして、当社が開発中の「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX10(フジツウ スーパーコンピュータ プライムエイチピーシー エフエックステン)」(以下、「PRIMEHPC FX10」)の後継機を中核にしたシステムを受注しました。システム全体の理論ピーク性能は現行システムの約24倍となる3.4ペタフロップス(以下、PFLOPS)(注1)となり、これにより、JAXA様が必要とする大規模データ解析に向けた処理能力の向上を実現します。 なお、
富士通は4月7日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新たなスーパーコンピュータシステムとして、開発中の「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX10」後継機を中核にしたシステムを受注したと発表した。 JAXAでは、ロケットエンジンの流体、熱、構造の研究や、航空機機体空力騒音に関する研究など多岐にわたった分野で、シミュレーション技術の適用を進めている。しかし近年、乱流、音響などの状態の変化をシミュレーションするといった大規模なデータ解析が盛んになっており、計算処理能力の向上が求められていた。今回、富士通では「PRIMEHPC FX10」の後継機を提案し、JAXAが保有するアプリケーションでの高い実効性能と確実かつ容易な資産の移行、環境負荷の軽減、使いやすさなどが認められ、導入が決定した。 新システムは「PRIMEHPC FX10」の後継機を中核にして構成され、システ
富士通は4月7日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新スーパーコンピュータシステムを受注したことを発表した。システム全体の理論ピーク性能は、現行システムの約24倍となる3.4ペタフロップスになる見込み。 このシステムは、同社が開発中の「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX10」の後継機を中核にしたシステムとなる。「PRIMEHPC FX10」の後継機は、PRIMEHPCシリーズの次世代モデルとして開発を進められており、1テラフロップスクラスの性能を持ちTofuインターコネクトを統合したSPARC64シリーズの最新プロセッサや、高いメモリ性能を発揮するHybrid Memory Cubeなど、最先端のテクノロジーを活用したものになる予定だ。 新スーパーコンピュータシステムは、段階的な導入を計画しており、2014年10月に一部のシステムが稼働、2016年4月より全
理研は来年度から、計算速度を京の100倍に向上させた次世代スパコンの開発に着手する。2020年に世界最高水準での運用開始が目標だ。創薬や防災などの多様な分野で大規模、超高速のシミュレーションを実現し、日本の国際競争力の維持に役立てる。 京の計算速度は毎秒1京510兆回(京は1兆の1万倍)。次世代機はこれを100京回に引き上げ、同時に行える計算の数も京の100倍に増やす。この複合効果で性能は格段に向上。1万種の化合物から薬剤候補を絞り込む計算は、京では2年5カ月かかるが、160分の1のわずか5日半で完了する。 単独の現象として扱うしかなかった宇宙の暗黒物質の形成や、超新星爆発などを複合的にとらえる研究も実現。宇宙の起源や進化の壮大なストーリーを統合的に探ることができそうだ。 このほか、ゲリラ豪雨の超高精度なリアルタイム予測や、1千を超すシナリオで「想定外」の見落としをなくす広域複合災害の被害
スパコン「京」総合性能1位 理化学研究所と筑波大などは22日、世界中のスーパーコンピューターが性能を競い合う米国の国際会議で、スパコン「京」(神戸市)が、総合的な性能を評価する「HPCチャレンジ賞クラス1」の4部門のうち3部門で1位に選ばれたと発表した。クラス1で京が1位を獲得するのは3年連続。 同時に、京で使われているプログラミング言語が、優れた性能や使いやすさを競う「同賞クラス2」を受賞した。クラス2の受賞は初という。 HPCチャレンジ賞は、大規模な連立1次方程式を解く計算速度など、複数の項目で計算能力の高さを競う。
【冨岡史穂】スーパーコンピューターの省エネ性能を競う世界ランキング「グリーン500」が21日に発表され、東京工業大の「ツバメKFC」が世界1位をとった。日本のスパコンがトップを飾るのは初めて。2位は英ケンブリッジ大のウィルクス、3位には筑波大のHA―PACSが入った。 このランク付けでは1ワット当たりの計算速度を指標に、各スパコンがエネルギー消費効率を競う。ツバメKFCは1ワット当たり毎秒45億317万回を記録した。 東工大の松岡聡教授は「次世代のスパコンの最大の焦点も電力との戦い」として、省エネに力を注いできた。今回のツバメKFCは、2015年導入を目指すツバメ3・0の実験機。特に省エネに注目し、油を使った新しい冷却システムが特徴だ。 スパコンの消費電力は一般家庭の数万世帯分に達しており、最近は省エネの工夫が注目されている。ランキングは07年に始まり、最近は年2回発表されている。
スパコン「アテルイ」について説明する小久保英一郎教授=奥州市水沢区国立天文台水沢キャンパスに設置されたスパコン「アテルイ」=奥州市水沢区 【斎藤大宙】岩手県奥州市水沢区の国立天文台水沢キャンパスで、天文学では世界最速の計算能力を持つスーパーコンピューター(スパコン)が、今春から動き始めた。愛称は、平安時代の地元の英雄の名にちなみ、「アテルイ」。県内でのスパコン設置は初めてで、同天文台は夏に記念のイベントを催したり見学コースに組み入れたりして、地元の人たちにも愛着を持たれる存在にしたい考えだ。 「アテルイ」は、最大で1秒間に1千兆回を超える計算能力がある。同天文台が3月末まで東京都三鷹市の本部で運用していた2基のスパコン(1秒間の計算速度はそれぞれ27兆回と1600億回)も、天文学では世界最速の能力だったが、これを大きく上回る。 本体は高さ2メートル、長さ12メートル、奥行き1・5メー
【2013年5月29日 国立天文台】 岩手県の国立天文台水沢VLBI観測所で、天文学専用としては世界最速の新スーパーコンピューター、愛称「アテルイ」の本格的な共同利用運用が4月から始まっている。 水沢VLBI観測所に設置されたXC30「アテルイ」。クリックで拡大(提供:国立天文台天文シミュレーションプロジェクト) XC30「アテルイ」による超新星爆発の3次元シミュレーション。爆発の詳細なメカニズムをより細かく再現するほか、これまでシミュレーションに含まれなかった過程も考慮した、より現実的な結果を得ることができる。クリックで拡大(提供:国立天文台天文シミュレーションプロジェクト) 国立天文台天文シミュレーションプロジェクトは、天文学専用の新しいスーパーコンピューターを水沢VLBI観測所(岩手県奥州市)に設置し、今年4月1日から本格的な共同利用運用を開始している。 この新コンピューターは米クレ
文部科学省は来年度から、理化学研究所のスーパーコンピューター「京(けい)」の約100倍の性能を持つ「エクサ(100京)級スパコン」の開発に着手する方針を固めた。 2020年ごろまでの完成を目指し、来年度予算の概算要求に概念設計費などを盛り込む。専門家による作業部会が8日、中間報告案をまとめる。 1秒間に1兆の100万倍回の計算が可能なエクサ級スパコンは、欧米や中国がすでに、20年前後の完成を目指して研究を進めている。作業部会では国際競争の激しいエクサ級スパコン開発への参入が、「科学技術の発展や産業競争力の強化に貢献できる」と判断した。「京」は11年にスパコン計算速度ランキングで世界一になったが、昨年は米国勢に抜かれて3位に後退しており、日本はエクサ級スパコンでの首位奪還を目指す。
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