日本の太陽系探査は、米国やロシアと比べ規模や回数では遠く及ばないが、独自の技術で世界を驚かせてきた。はやぶさシリーズも約30年にわたる経験と実績が基礎になっている。 日本初の探査機は1985年に打ち上げたハレー彗星(すいせい)探査試験機「さきがけ」。90年には工学実験衛星「ひてん」を打ち上げ、月の重力を利用した加速や方向転換などを実施した。はやぶさ2も、ひてんで習得した技術を基に地球の重力を利用して航行する。 火星探査機「のぞみ」は2003年、軌道投入に失敗。しかし、相次ぐ不具合に対し、技術陣が復旧努力を続けて運用技術を高めたことが、後のはやぶさ帰還につながったとされる。 10年に打ち上げた実証機「イカロス」は、世界で初めて太陽光の圧力を帆に受けて航行。その技術は、はやぶさ2の後継機に採用される可能性もある。 月周回衛星「かぐや」は米アポロ計画以来最大の月探査で、多くの成果を挙げた。金星は
