川沿いに立ち、これまで何度も台風の被害で蔵書を失いながらも、市民に親しまれてきた茂原市立図書館が先月、新たにJR茂原駅前の商業施設に移転した。自然の音やアロマオイルの香りに浸りながら、読書を楽しめる空間。「本があるだけではなく、リラックスできる場所を提供したい」と利用を呼びかけている。 (柚木まり) 図書館は四十年ほど前に建てられ、一宮川のすぐ脇にあった。これまで三度、台風の集中豪雨で川が氾濫し、そのたびに床上浸水の被害に遭った。本棚の一番下の書籍はいつも水没してしまう。職員の女性は、「台風が来る前に書籍を移動するも間に合わず、かといって一番下の段を空けておくわけにもいかなかった」と振り返る。