中国は、南シナ海では岩礁の埋め立て拡張工事を一方的に進め、東シナ海では、海底ガス田開発用の洋上施設を増設するなど、南シナ海と東シナ海における領域拡張を既成事実化する措置を強引に進めている。 このような行動は、明らかに国連海洋法条約に違反するか、その恐れのある行動であり、既存の国際秩序に対するあからさまな挑戦である。 中国のこのような行動の背景には、どのような軍事的原理・原則があるのかを、中国側から公表された文献に基づき分析する。 1 習近平指導部の意図と中国の『国防白書』に示された離島作戦に対する国防戦略 習近平総書記は『光明日報』の2013年7月22日第1版に、「党の軍事指導理論の新たな創造の成果」と題して、軍事政策の基本方針を表明している。 その中で、「中華民族の偉大なる復興は、中国人民の偉大な夢であり、国防と軍隊の建設はこの最高の利益のための職務に必ず服従しなければならない」との方針