「人を殺してはいけない」という規範は、戦争を始めとした現代社会の問題を考える上で重要な規範である一方、メディアや客観性など、コミュニケーションの特性を考える上でも重要なものです。今回の記事では、「人を殺してはいけない」という規範がどうやって成立しているか、情報学的観点から整理してみたいと思います。 (1) 社会の成立と「殺してはいけない」という規範 人は生きていく中で、さまざまなことを学習しています。こうしてはいけない、ああした方ががいいというようなことを、世界の規則として身につけていくわけです。こうした世界の規則の中に、他の人とコミュニケーションを取る上での規則もあり、それによって他の人とコミュニケーションを取ることもできます。 さて、AさんとBさんがコミュニケーションを取るとき、それを成り立たせるためには、さまざまな規則が必要です。こういった規則には、たとえば、言語や2人で挙有されてい