長野県建設業厚生年金基金(長野市、佐々木力理事長)は12日、平成18年以降に年金の掛け金計21億9千万円が不明となり、掛け金を管理していた同基金の男性事務長(52)が流用した疑いがあると発表した。事務長は9日朝から連絡が取れなくなり、基金側は11日、業務上横領にあたるとして長野中央署に被害届を出した。 発表によると、基金側が建設会社の従業員らから集めた掛け金を振り込んでいる大手生命保険会社から8月、「月によって入金が大幅に少なくなる」と申し出があった。 掛け金の管理や入金は事務長1人が担当。事務長は「18年4月に県建設業協会飯田支部から掛け金を返してほしいと言われた」とし、同支部口座に計21億9千万円を振り込んだとする受付書類も示したが、実際には振り込みはなく、書類も偽造と分かったという。