そもそも情報の分析は、疑うことから始まる。「噴火に際し、被災者の救出には装甲車が不可欠である」という持論を「絶対真理」であるとして、それを批判する論者を認めずに攻撃することは、ジャーナリズムとはいえない。限られた情報の中では多様な議論があっていい。 「常に自衛隊は正しい」という結論ありきの人達は、本稿で述べたような自衛隊装備や組織の問題点を、事実に基づいて考えることはない。今回の出動で良かった点は評価するべきだが、問題点を指摘したり、より有用と思われる提案をしたりすることで議論が活性化する。そして、自衛隊の組織や装備をよりよいものにしていく原動力にもなる。疑問や批判は許さないという態度では、建設的な議論は生まれない。 御巣鷹山事故でも無責任な投入論が多かった かつて御巣鷹山の日航ジャンボ機墜落事故では、「有識者」と称する人達の中に、なぜ事故直後の夜間に自衛隊ヘリを飛ばさなかったのか、空挺部