豊富な鉱山資源 複雑な地質と各時代の火成活動で形成された北上山地の多様な鉱物資源は、古くから日本の繁栄を支えてきました。 黄金の国ジパング——13世紀に東方を旅したマルコ・ポーロは、「東方見聞録」で日本をそのように紹介しました。その根拠のひとつが陸前高田市の玉山金山ではないかとされています。多くの金を産出し、奥州平泉・藤原氏の栄華、豊臣秀吉や伊達政宗の財政などを支えた玉山金山は、文字通りの宝の山だったのです。 また、江戸時代からのたたら製鉄遺跡が数多く存在する久慈広域のたたら製鉄、日本の近代化に欠かせない幕末の高炉銑鉄の遺構(橋野鉄鉱山・栗木鉄山跡)など、近代の産業文化を担う豊富な鉱物資源を見ることが出来るのです。 日本最古のペグマタイト金鉱床 金という鉱物は、一般に非常に温度が高い地下水の鉱床から産出します。しかし玉山金山の場合、マグマが地下深いところでゆっくり冷え固まるときにできたペグ