ドビュッシー“月の光”を奏でるストリングス・サウンドと、キーボード:蔦谷好位置の奏でるベートーヴェン“月光”の悲壮なピアノ・アルペジオが描き出す、緊迫の音のモワレ模様。そんな音世界の余韻を切り裂くように走り出すビートは“奴隷天国”! しかも、曲が始まるやいなや後方の幕が大きく開き、金原千恵子ストリングス14名が登場、メンバー4人+レギュラー・サポートの2人(蔦谷好位置&ヒラマミキオ)と一体になってあのリフをユニゾンで壮麗に弾きまくる!……という開幕の場面だけでも最高だったが、前回の武道館公演『桜の花、舞い上がる武道館』から約1年9ヵ月ぶり、新春武道館としては実に10年ぶりとなるエレファントカシマシのワンマン・ライブ『エレファントカシマシ 日本武道館 新春公演』はまさに、結成30周年の壮絶な歩みと「今」の凄みを1つのセットリストの中に極限圧縮して炸裂させたようなーー同時に、いわゆる「30年の