【カイロ=佐藤貴生】サウジアラビアとイランは10日、中国の仲介で、約7年ぶりに外交関係を正常化することで合意した。双方は互いに2カ月以内に大使館を再開する見通しだ。中東では各地で紛争が続いており、イスラム教スンニ派大国のサウジとシーア派大国のイランの関係改善が、地域情勢の安定に結び付くか注目される。 サウジとイランのメディアによると、両国は関係正常化を仲介した中国に謝意を示した。国営イラン通信によると、同国の最高安全保障委員会のシャムハニ事務局長が6日に北京入りし、サウジの安全保障担当高官と会談して合意に達した。両国と中国の3カ国は10日、共同声明に調印しており、中東における中国の存在感が強まりそうだ。 一方、米ホワイトハウスの報道官はロイター通信に、緊張緩和に向けた取り組みを歓迎するとの意向を表明する半面、さらに情報を精査するとして慎重な姿勢も示した。 サウジとイランは外相会談も行う方針