8月22日、マンションから飛び降り自殺を図った藤圭子。ワイドショーでは連日、関係者が生前の彼女の様子や思い出を語っているが、ぜひ藤について語ってほしい人物がいる。いや、“書いてほしい”と言うべきだろうか。 その人物とは、『深夜特急』(新潮社)、『テロルの決算』(文藝春秋)などで知られる人気ノンフィクション作家・沢木耕太郎である。最近ではロバート・キャパの代表作を題材にした『キャパの十字架』(同)を出版して話題を呼ぶなど、ノンフィクション界の第一線に立ち続けている大御所だが、実は沢木は、今から34年前の1979年、藤圭子のノンフィクションを書くべく1年間に渡って密着取材を行っていた。そして原稿を書き上げたのだが、なぜかそれは日の目を見ることなく、今も封印されたままなのだ。 なぜ1年も密着し、書き上げたものが発表されずにいるのか……。誰もが不思議に思うが、その理由は沢木と藤が取材を通して恋愛関
