出張や観光で地方に滞在する。テレビをつける。全国ネットのワイドショーやドラマの合間に、地方局が制作した番組やCMが流れる。聞き慣れない方言や素朴な構成を楽しく見ながら、日本も多様なんだなあと思ったりする。 テレビだけではない。新聞にも地方紙があり、地元に密着した記事を掲載している。そして、多くの地方紙は、朝日・読売・毎日などの大新聞よりも、地元では読まれている。ネットでも「47NEWS」というサイトで、地方紙の記事が読める。 今回は、岩手県の地方紙「岩手日報」(2011年2月8日付)の「風土計」というコラムを取りあげたい。内容は、就職する若者が東京に吸いあげられて、地方が空洞化しているという話である。 コラムでは、東北経済産業局の幹部から見せられた高校新卒者の就職先に関する資料を見て、記者が「がくぜん」としたところからはじまる。東北や九州から「猛烈な勢いで若者たちがいなくなっている」からだ