千葉県野田市で虐待を受けていた栗原心愛ちゃんが亡くなった事件を受け、このところ、児童相談所が注目を浴びている。 そんな児童相談所と同じ児童福祉法に基づく施設・児童養護施設で2月25日、施設長が刺殺されるという事件が起きた。 一報を耳にした時は、「子どもを施設に入れられた親が逆恨みして施設長を刺したのか?」という予想が頭をよぎった。心愛ちゃんの事件から、そんな連想をしたのだ。しかし、違った。容疑者として逮捕されたのがその児童養護施設で3年間を過ごした22歳の若者であること、施設に「恨みがあった」と語っていること、施設関係者なら「誰でもよかった」と話していることを聞いて、目の前がどんどん暗くなっていった。しかも容疑者はネットカフェを点々とする生活で、所持金はわずか数百円だったという。 この連載でも何度も書いているが、ホームレス状態の若い世代を取材していて、もっともよく耳にするのが「児童養護施設