国の補助金を受けた地方自治体の遺跡発掘事業のうち、文化庁が今年度までの6年間で、29事業について「補助金の不正受給があった」と認定していたことが分かった。不正の手口は、未発行の調査報告書を作成したとする架空請求や人件費の水増し請求など。文化庁は事業を実施した2県17市町村に補助金の返還を求めた。いずれの自治体も不正を認め、総額1200万円の返還に応じた。 地方自治体が実施する遺跡発掘事業に対する国の補助金は、事業を完了させた自治体が文化庁に申請。「現地での発掘調査作業に要する経費」「出土品の整理作業経費」「発掘調査報告書作成費」などが補助対象となり、認められれば、調査の翌年度に補助金を支出する。 今回、返還を求められたのは、愛知、三重両県と、奈良、岩手、静岡、熊本などの17市町村。不正を指摘された29事業のうち、最も多かったのが「発掘調査報告書作成費」に伴う補助金で、15事業(鳥取県大山町