確か10年ほど前だったと思います。IMF(国際通貨基金)が、加盟国に一つの警告を発したんです。それは「有権者の過半数が50歳以上になる前に、高齢者に不利益を与える制度変更を済ましておかないと、福祉予算で国がつぶれる」というものでした。実はこの警告、医療、介護、年金、高齢者の生活保護予算が膨れ上がりつつある日本を横目に発せられたものです。なぜ「横目」だったかというと、当時すでに日本の有権者の過半数が50歳以上になっていて、それがIMFの警告のきっかけになったんですね。 この警告に対して私は当時、「日本の高齢者はもっと賢い!」という趣旨で短文を書いた記憶があるんですが、今回の大阪都構想をめぐる住民投票の結果を見ると、残念ながらIMFの懸念は間違いなく現代日本が抱える大問題となってしまったようです。 都構想をめぐる住民投票、結果はご存じのとおり、0・8%の僅差で反対派の勝利になりました。世論