保育所に入れない待機児が多い世田谷区は今春、私立認可保育園の雇う保育者が借り上げアパートで預かる「家庭的保育事業」に乗り出した。今月一日で、区内の待機児は過去最多の七百二十五人に上っており、同区は新たな事業を待機児童解消策の一助として広めたい考えだ。 (松村裕子) 家庭的保育事業は、四月から改正児童福祉法に位置付けられたのを機にスタート。従来事業の保育ママに相当する保育者や補助者は保育所が雇い、ベテランの保育士らがサポート役として巡回指導にあたる。保育者が休んでも保育所の別の保育者が代行する。 第一号は社会福祉法人・雲柱社(上北沢)の祖師谷保育園(上祖師谷)。近くの二軒のアパートに計四部屋を借り、部屋ごとに保育者と補助者を配置。三歳以下の子どもを五人ずつ預かる。保育所で働いた経験がある保育者は「保育所よりも一人一人にかまってあげられる」と語る。