お役所言葉、時候の挨拶、冗長な説明… 日本語表現ってむずかしい 在住外国人の増加や多国籍化が進む社会。身近な言葉も別の立場から見ればむずかしい。「外国人にも伝わる日本語」を通じてコミュニケーションのあり方を考える。
『社会言語学』XXIV 2024年 (購入する) 論説: 福祉言語学の再構想 谷口 ジョイ 日本の履歴書はどのように問題化されてきたか — 名前、住所、顔写真、性別欄、手書き厳守などがうみだす差別と抑圧 — あべ・やすし 警察における捜査通訳人の役割観 — ベトナム語通訳人に対するインタビュー調査から — 道上 史絵 ベトナム語司法通訳人の職業倫理意識と現場の諸相 チャン・ティ・ミー フィリピノ(タガログ)語誤訳事件にみる日本の捜査通訳制度 かどや ひでのり/道上 史絵 斎藤秀一の民衆観と言語運動 神村 和美 「日本語指導が必要な児童」を教える教師像の批判的考察 — 計量テキスト分析から見えた教師の葛藤と課題 — 村上 智里 「プライベートゾーン」の意味・用法の再考 羽山 慎亮/門下 祐子 スペイン語圏における日本語教師から見た日本語教科書 — 入手性と多
2022年7月18日に日本で採択された「IFLA-UNESCO公共図書館宣言2022」には,“公共図書館のサービスは,年齢,民族性,ジェンダー,宗教,国籍,言語,あるいは社会的身分やその他のいかなる特性を問わず,すべての人が平等に利用できるという原則に基づいて提供される”と明示されています1)。このようにあらゆる人々が自らの障害や特性,文化的・民族的多様性によらず情報を入手できる仕組みは,インフォプロの目指すべきところであると考えられます。しかし,現実には対応が追いついていない情報機関も少なからずあるものと考えられます。 そこで本特集記事は「あらゆる人々に情報を届けるために」と題し,図書館利用に障害がある方へのサービス(障害者サービス),多様な文化的背景を有する方に対応するサービス(多文化サービス)を取り上げます。 まず,特定非営利活動法人支援技術開発機構の河村宏様に,視覚障害者等の読書環
2024年9月号/第887号 特集:読書バリアフリー はじめの一歩 進めよう読書バリアフリー(野口武悟) 「バリアフリー図書」を知っていますか?(成松一郎) 手で読むバリアフリー資料(岩田美津子・高倉嗣昌・スギヤマカナヨ) 聴くバリアフリー資料 マルチメディアDAISY(田村康二朗) 目で見るバリアフリー資料 大活字本とLLブック(村田和也・飯泉 研・国重清香) 言葉のバリアフリー絵本(石原弘子) 読書補助具(田村康二朗) ピクトグラムを利用したサイン計画とカラーユニバーサルデザイン(藤澤和子) ボランティア・グループとの連携(野口豊子) 読書支援アプリ(平林ルミ) 読書バリアフリー体験セットの貸出し(染谷友貴乃) 学校図書館での「りんごの棚」が示す大きな可能性~できることから始めよう~(古市理代) 「サピエ図書館」の概要と利用方法について(西村浩生) みなサーチ(国立国会図書館障害者用資
Online ISSN : 2424-0516 Print ISSN : 1349-0648 ISSN-L : 1349-0648
「ニューカマー」と呼ばれる在日コリアンらが、高齢化に伴う問題に直面している。戦前の植民地支配時に日本に渡ってきた人やその子孫(オールドカマー)とは異なり、戦後数十年たってから来日したニューカマーは、後天的に習得した日本語を忘れてしまうことがある。特に認知症になると、母語しか話せなくなる「母語がえり」が顕著になるという。こうした言葉の壁に加え、家族が身近にいないため、必要な福祉サービスを受けられないまま孤独に苦しむ外国人高齢者は少なくない。この人たちを日本最大級のコリアンタウン東京・新大久保を拠点に支えているのが、在日韓国人福祉会(福祉会)だ。在日コリアンに代表される外国人高齢者がぶつかる課題は放置できなくなっている。福祉会代表のキム・ヨンジャさん(54)は、「日本の将来に関わる話」だと訴える。 3月でも今は「秋」要介護認定調査とのやりとり 春めいてきた3月中旬。福祉会代表のヨンジャさんは、
木村晴美【編著】 [定価] 本体1,800円(税別) [ISBN]978-4-86500-175-4 [判型]A5判並製 [頁数]200頁 Amazonで購入 ろう者の言語やろう者に関する言語外知識を共有しているろう者が通訳を担うことは、通訳利用者が社会参加する際に大きな力になります。ろう者が手話通訳を担うことの意義を理解し、資格化への課題を乗り越えることで、ろう者と聴者が一緒に通訳するという形態が実現します。 通訳利用者の選択肢が豊かになることを願い、本書を発行することにしました。 【目次】 まえがき 木村晴美 第1章 ろう通訳者ってなに? 聞こえないのに通訳できるの? 1 ろう通訳者ってなに? 宮澤典子 (1)手話通訳の歴史とろう通訳の必要性 (2)聞こえないのに通訳できるの? 2 ろう通訳者が必要な人と場面 江原こう平 (1)わが国の手話通訳者の状況 (2)通訳行為の場面
先日、突如「手話通訳不要論」という投稿がたくさんまわってきた。手話関係者が怒っている。あまりにも安直な手話に対する偏見を大量に並べる投稿が悪趣味だった。私も結構ツイートを投げていたので(試験前後の興奮で)一応まとめておこう。自分の分を。 >手話を第一言語としている人も その可能性は考えた。弁護士会で提言する際にも。しかし、手話と日本語が別言語ならば日本語の習熟に努めるべきだし、日本語字幕を見ても、よくわからない人は文盲と変わらない。そして字幕を見てもわからない内容を、どうやって手話で伝えることができるんだ。… https://t.co/4UoKEPBd8v — 弁護士 徳永信一 (@tokushinchannel) July 24, 2024 この「日本語字幕を見てもわからない人は文盲」については、そもそも、そうした文盲、つまり非識字者のことを無視してきた歴史があり、今も日本語リテラシー関
松波めぐみ【著】 [定価] 本体2,500円(税別) [ISBN]978-4-86500-173-0 [判型]A5判並製 [頁数]312頁 Amazonで購入 「合理的配慮」を理解するには、多数派中心の社会がつくっているバリアに気づくことから。 多種多様な人たちが力づけられ平等に生きられる社会へと変えていくための、大事な見方・考え方がこの一冊に! 【目次】 はじめに PART 1 「社会モデルで考える」ためのレッスン レッスン1 「特権」をもつ側であること レッスン2 情報のバリアを放置してきた社会に気づく レッスン3 「対話」はなぜ大事で、どんな時に難しいのか レッスン4 文化的障壁(社会の慣行、価値観などのバリア)を考える レッスン5 学びの場と合理的配慮①——学ぶ権利を保障する レッスン6 学びの場と合理的配慮②——障害のある先生 レッスン7 研修、啓発のあり方を考える レッスン
スロープや字幕を付ければ終わりではない。 アクセシビリティの先には、生々しい身体を持った人間がいる。 映画を観る、ゲームをする、アートを鑑賞する。 そのために、チケットを買う、座席を選ぶ、会場に行く。 多くの人が日常的にしていることを、マジョリティとは異なる身体を持つというだけで同じように楽しめない人たちがいる。 コンテンツを作るとき、情報を発信するとき、イベントを催すとき。 わたしたちは、自分と異なる身体と感覚を持つ人のニーズをどのくらい想像しているだろう? そもそも人が「体験する」とは、どういうことだろう? アクセシビリティについて考えることは、“当たり前”を問い直すこと。 『ルール?展』や『音で観るダンス』など、常識をくつがえすプロジェクトを生み出し、アクセシビリティを研究してきた著者が、障害のある人と対話・実験しながら書き上げた初のエッセイ! 障害のある人13人との対話・鑑賞ワーク
京都大学は故郷である。「第二の故郷」とかじゃなくて、故郷だと心身が認識しているようだった。実家に帰って充電する人がいるように、大学に足を踏み入れた途端に身体が軽くなったような気がした。指導教官が「タカシマさんは、目をつぶっても構内を歩けるよな」と言っていたが、いつも通っていたキャンパスの木々が大きくなっているのをひとつひとつ、かみしめるように確かめて歩いた。 寝ながら書く予稿集学会発表は、割と勢いで出したのだが、保育士試験のこともあり、保育士試験のあとになぜか持ち時間2時間の発表もあり、論文の〆切もあり、予稿集は寝ながら書いた。寝ながら書いたにしては、とも思うが、やはり寝ながら書いたのクオリティである。 この半年、心身ガタガタをなんとか埋めつつ、妙に忙しい日々を乗り切るために「絶対に夜は寝る」を愚直に続けてきて、もう夕方5時以降には一切頭が働かないのに、「予稿集提出は当日中」みたいな〆切に
上智大学外国語学部紀要第58号 2023 ISSN 0288-1918 2024年3月8日発行 (非売品) 論文 VIOLENCES DE BARTHES…Hervé COUCHOT 占領された生活空間の記憶と忘却と創造的破壊 米軍ハウスの比較を事例に…小塩和人
伝わる日本語の取組をより一層推進するため、区が情報発信を行う上で職員一人一人がすべき行動の羅針盤となる「港区伝わる日本語行動指針」を策定しました。 区は、行動指針の内容をベースに、情報を受け取る相手の立場に立った情報発信を行っていきます。 また、行動指針の内容が様々なところで浸透するため、区民、区内の企業、団体等をはじめ、他の地方公共団体へも広く発信していきます。 伝わる日本語とは あらゆる人に必要な情報が伝わるよう、情報を受け取る相手の立場に立って分かりやすく情報を伝えること。 策定の目的 情報発信における職員の視点を、発信者側の「伝える」から受信者側の「伝わる」に変革し、全ての職員が伝わる日本語を実践できるようにする。 行動指針の内容 港区伝わる日本語行動指針(PDF:1,251KB) ※ 行動指針は、これまでの取組(PDF:263KB)から得た知識を基に、「基本的な意識」と「3つの視
澁谷智子【編】 [定価] 本体1,500円(税別) [ISBN]978-4-86500-166-2 [判型]A5並製 [頁数]208頁 Amazonで購入 「親が聞こえない」という一点で一まとめにイメージされるコーダ(CODA=Children Of Deaf Adults)たち。 年齢も性別も住んでいる地域も違う六人のコーダそれぞれの語りから、その多様性と共通点が見えてくる。 【目次】 はじめに 澁谷智子 第1章 コーダであることの捉え方の変遷 會田純平 「コーダ」という言葉を知っても 「コーダ」というアイデンティティが確立するまで 「コーダ」にこだわりすぎた時期 コーダアイデンティティ確立以降の変化 なぜ手話を勉強するのか? コーダ以外の自分 コーダの自分、新たな章へ 第2章 コーダ三姉妹――それぞれの視点から語られるコーダの経験 安東明珠花 はじめに 家族同士のコミュニケー
堀川 諭【著】 [定価] 本体3,000円(税別) [ISBN]978-4-86500-165-5 [判型]A5判並製 [頁数]312頁 Amazonで購入 知的障害者向けの投票支援を権利保障のひとつとして位置付け、選挙情報提供の先進的取り組み「狛江モデル」の実践が権利保障についての従来の考え方をどのように広げうるのかを、ユニバーサルな分かりやすい選挙への貢献の可能性も含め考察する。 【目次】 まえがき 第1部 障害者の権利保障としての投票支援を考える 序章 本書の目的と先行研究・実践の概観 0-0 本章の目的 0-1 研究の目的 0-2 先行研究 0-2-1 権利保障(権利擁護)と投票支援 0-2-2 情報保障、情報の分かりやすさ 0-2-3 投票能力 0-2-4 先行研究についての小括と考察 0-3 本書の構成 第1章 権利獲得運動の歴史と選挙権 1-0 本章の目的 1-1 公民権
親知らずを抜歯するために入院する(5泊6日)。全身麻酔の手術になる。歯ぐきを切開するし、縫合もするらしい。となりの歯も抜歯しないといけないらしい。いやだ。 手術の準備として麻酔科の説明をうけたりしたのだけど、体や病歴などについて ききとりをされるなかで、アトピー体質であること、介護職であることをつたえた。すると皮膚科でラテックスアレルギーの検査をしましょうということになった。血液検査は すでにしてあったのだけど、つい先日皮膚科でプリックテストと装着テストをうけた。プリックテストは腕の皮膚 4箇所に針をさして反応をみるテスト。ヒスタミン、10分の1のラテックス、1倍のラテックス、なにもなしの4種類を比較する。あおむけになっていたので みていないけど、ヒスタミンやラテックスを一滴たらして、そこに針をさしたのだろう。30分くらい しずかに あおむけになっていた。途中と最後に写真をとっていた。皮膚
2024年1月1日におきた能登(のと)半島地震。 能登半島のあちこちの道路が地震で破壊され、船着場も地震で隆起して船の着港が むずかしいという。地震で たくさんの木造の家が崩壊し、さらに津波や土砂くずれ、火災によって家をうしなった ひとが たくさん いる。家族をうしなった ひとも いれば、大切な ひとが みつかるのをまっている ひとも いる。 1月1日の大地震や大津波で避難所に にげこんだ、余震もあるから避難所のほうが安心だ、そういうことで避難所生活が はじまる。それは理解できる。しかし、この真冬に、北陸で、インフラも不十分な状態で避難所生活をつづけるのは、ほんとうに しんどいのではないだろうか。 水だ食料だ、とどけろ とどけろというのも大事でしょうけど、身体と心の回復も かねて、ホテルなどでの生活を被災者に保障することはできないんでしょうか。余震が つづくなかで、さむいところで食事をした
hituzinosanpo.hatenablog.com 2015年に出版された『ことばのバリアフリー』ですが、2023年10月に増補新版が でました。初版部分をわずかに修正し、以下の内容を追加しました。 増補 第7章 漢字のバリアフリーに むけて 1. はじめに 2. 漢字をよむということ――バリアとしての「テレビ型言語」 2.1. みえない人の場合 2.2. きこえない人の場合 2.3. 視認性が不十分な日本語表記――わかちがきをしないことの問題 3. 漢字をかくということ 3.1. 音声ワープロによる漢字変換 3.2. 学校や試験の場合 4. 漢字のバリアフリーとは、どうすることか ただしがき 増補 第8章 ことばのバリアフリーと〈やさしい日本語〉 1. はじめに――全体像と位置づけ 2. 『認知症フレンドリー社会』――ATMの問題を例に 3. 大学という空間の内と外 4. 中国帰国
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