金融危機が世界を覆っている。ITの世界でも業績の下方修正が相次ぎ,シリコンバレーの名門ベンチャ・キャピタルが投資先に対して行った「危機に備えよ」というプレゼンテーションが話題になっている。 米Sequoia CapitalはGoogle,Apple,Yahoo!などを育てたシリコンバレーの中核ベンチャ・キャピタルである。「Get Real or Go Home」,現実を直視せよ,さもなくば退場せよ。Sequoia Capitalはそう説く。 日本でも多くの企業が目前の需要の急速な減退と信用収縮と戦わねばならないだろう。だが,その混乱が過ぎ去った後には何が起こるだろう。2000年頃,ITバブルの崩壊と呼ばれる現象があった。遠い昔のようにも,つい先日のようにも感じる。それを振り返りながら,ITの世界でのバブルが崩壊した際に何が起きたかを考えてみたい。 安価で未成熟な技術の利用が進む バブルが崩
技術者向けに部品や材料、製造/試験装置などの情報を集めたポータルサイトを運営するイプロス(東京都港区)。2007年9月現在で17万人のエンジニアが利用登録している無料情報サイトで、約8000社のメーカーが商品情報を掲載しているという。 あまり一般には知られていない同社だが、制御機器大手のキーエンスが100%出資している子会社で、キーエンスの競合会社の商品情報も分け隔てなく掲載していると聞けば、驚く人は多いだろう。キーエンスがなぜこうした事業に参入したのか、今後の事業展開などをイプロスの岡田登志夫社長に聞いた。 ――なぜキーエンスが商品情報のポータルサイトを立ち上げたのか。 岡田 イプロスを起こす以前、私(岡田氏)はエンジニアとしてキーエンスに入社しその後、事業企画を担当していた。もともとは技術者のマッチングを事業にできないかという発想から検討していた。その後、紙でなくネットで中立的に技術情
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