近年、生成AI分野で注目を集めている新技術「RAG(検索拡張生成:ラグ)」。従来のAIのように学習データだけに頼らず、外部情報を組み合わせて回答を生成できるため、ビジネスでの活用が期待されている。RAGの仕組みやメリット、ビジネスにおける活用例について、起業家・AIエンジニアの安野 貴博氏の解説と合わせて紹介する。 RAGとは何か RAG(読み方:ラグ)とは「Retrieval Augmented Generation」の略称で、自社だけに蓄積された社内情報や、外部の最新情報を、ChatGPTなどのLLM(大規模言語モデル)に取り込んで、回答させる技術のこと。 通常、LLMには「ナレッジのカットオフ」と呼ばれる問題がある。これは、そのLLMが特定の日時時点までの情報しか知らない(学習していない)、という問題のこと。知らないことは答えられなかったり、ハルシネーション(嘘)の答えを導き出すリス