小学校、中学校の時の文集の「将来の夢」の欄には、いつも迷わず「漫画家」と書いていた。それ以外は考えられなかった。 大学に入った当初、一度だけ漫画の投稿をしたことがある。しかしそれから精神的な暗黒期に入り大学にも行かなくなり漫画を描くこともしなくなり、将来は結婚して主婦になるか公務員になるかとにかく安定した平凡な人生を送ろうと思い始めた。 そんな堅実志向だったはずが、どこでどう間違ったか、安定とも平凡とも縁が無い、どっちかっつーと波乱万丈な人生を送るハメになった。そして今は一応の職にはつきながらも、細々と文章修業などをして生きている。 いつのまにか、漫画をほとんど読まなくなった。 昔はあれ程読んでいたのに。 親が小さな店をやっていて、そこで売られている漫画雑誌を全て読むことが出来たのと、祖父の弟の長女が漫画好きでありとあらゆるジャンルの名作漫画を揃えており、夏休み冬休み春休みはその家で漫画三