「万事疑うべし」というデカルトの言葉は科学の土台であるべきだ、と述べる著者は、新型コロナを2008年に正確に予測した「万能の教養人」。なぜ効率的に大量の食料を生産できるのか。グリーンな電力の象徴といわれる大型風力タービンは本当に化石燃料削減に役立つのか。肉食のスペイン人の寿命は、対照的な食生活の日本人よりも顕著に短いのか。本書は、このような問題を提起して、読者に自らを疑い、世界を理解するための手
https://hdl.handle.net/20.500.14094/0100477838 このアイテムのアクセス数:289件(2024-12-24 13:52 集計) 閲覧可能ファイル ファイル フォーマット サイズ 閲覧回数 説明 D1008412 (fulltext) pdf 6.59 MB 2,765 D1008412y (abstract) pdf 1.86 MB 168 メタデータ ファイル出力 メタデータID 0100477838 アクセス権 open access 出版タイプ Version of Record タイトル 人新世における人間と非人間との関係に関する考察 ーティモシー・モートンと石牟礼道子を手がかりとしてー 著者 著者名 張, 凌霄 チョウ, リョウショウ 所属機関名 神戸大学人文学研究科 文化構造専攻 言語 Japanese (日本語) 刊行日 2022-
Online ISSN : 1884-7080 Print ISSN : 1342-3363 ISSN-L : 1342-3363
世界最大の原発である柏崎刈羽原子力発電所(合計7基)。その立地地域である新潟県で、福島第1原発事故をきっかけに、市民によるエネルギー自治の取り組みが始まった。あのような事故を二度と起こしたくないとの思いから集まった市民たちが、「一般社団法人おらってにいがた市民エネルギー協議会」を設立。10年で県内に合計で約40カ所の低圧太陽光発電所を設置し、現在は小水力発電所も計画中だ。 「おらって」は、新潟の方言で「私たち」を意味する。そこには、日々使うエネルギーを、原子力などの巨大で不透明なシステムに委ねるのではなく、市民一人ひとりの手で紡ぎ、自分たちの権利を取り戻していこうとするメッセージが込められている。中心となったのが、大学で国際政治を専門とする著者である。事業経験はなかったが、専門家のアドバイスを受けつつ、行政や地銀などとの関係を深め、市民エネルギー事業の実践へとつなげた。本書は、「おらって」
「気候リヴァイアサン」 [著]ジョエル・ウェインライト、ジェフ・マン 多くの人々は気候変動を主に自然環境に関わる問題とみなしている。だが、それですむだろうかと本書は問いかける。気候変動に襲われる世界では、政治や経済の制度、たとえば近代国家や資本主義市場なども変化を迫られるのではないか。 著者2人はエコロジー視点を取り込んだマルクス主義を掲げる気鋭の論者である。では、本書は資本主義の代替案を論じるのかというと、話はそう単純ではない。 著者らは歴史を遡(さかのぼ)り、人間と自然を分けてきた従来の学問では上記の問いに答えることが難しいという、本質的な問題に立ち返る。科学は政治に禁欲的であったし、近代的な政治理論は資本主義経済の発展と共に発展し、主に人間社会の戦乱や未知の変動を考察する枠組みであり続けた。たとえば、近代的な政治哲学の基礎を作ったトマス・ホッブズは、内戦を起こさず政情不安を抑制する方
「きれいごとでは済まない」というのが、気候変動をめぐる国際政治に関する著者の総括だ。地球温暖化をめぐる議論の核心は、対策のコストを、誰が、いつ、どういう形で負担するかだ。 温暖化に関する国際合意の一言一句の裏で展開される外交的な駆け引きを語りながら、これまでの交渉の経緯に国際政治と国内政治の両面から光を当てている。そこに浮かび上がる風景は国際政治の縮図そのものだ。米中関係の推移に影響を受け、米国内政治の動きに翻弄(ほんろう)される。米国では、議会上院での民主党と共和党の力の均衡と対立の激しさを反映して、石炭生産州選出の上院議員一人の言動に政策が左右されるありさまだ。 また比較的厳しい温暖化対策を求める先進工業諸国と、それでは経済発展が阻害されると抵抗する開発途上諸国の対立がある。そして、そのグループ内での相違もある。例えば海水面の上昇で国土の存続が脅かされている島嶼(とうしょ)諸国は、発展
著者:宮脇方式の森を発展させる会出版社:藤原書店装丁:単行本(712ページ)発売日:2022-04-27 ISBN-10:4865783369 ISBN-13:978-4865783360 内容紹介: 緑の地球環境再生を目指して 宮脇方式のエッセンス 宮脇方式の森づくり活動 宮脇昭さんとの思い出. 1 国内篇 宮脇昭さんとの思い出. 2 海外篇 世界で報じられた宮脇メソッドの森づくり、追悼記事 宮脇昭名言集 「宮脇メソッド」による植樹地世界と日本 地球と人の未来、命を守るため木を植える工業化による利便性を求めて人工環境での暮らしをよしとしてきた現代社会は、地球上の緑を消失させてきた。近年、二酸化炭素の大量排出が原因と思わざるを得ない異常気象の発生などもあり、森づくりへの関心が高くなっている。 ところで、森と言ってもそこにはさまざまな姿がある。ここで9000年を意識した森づくり、つまり宮脇方
再生可能エネルギーの促進が、欧州の原子力発電業界に追い打ちをかけている。 化石燃料に依存しない電力の生産はかつてないほど急がれ、欧州の一部では依然として原発を電力政策の中核に据えている。だが、再生可能エネルギーの急増と電力価格の低下で、原発の運転にしわ寄せが及んでいる。 今後さらに厳しい時期が待ち受けている兆しもある。エネルギー危機以来、需要は十分に回復せず、風力や太陽光の発電量は増加の一途をたどる。これに押され、発電電力量に占める原子力と石炭火力のシェアはいずれも低下している。 エネルギー・電力市場分析会社ストームジオ・ネナのシニアアナリスト、シガード・ペデルセン・リエ氏は「太陽光と風力に極めて不利な状況が長期間続くか、強い熱波がない限り、現在の電力価格では従来型のベースロード電源は苦しいだろう」と指摘した。
気候変動に取り組むうえでの大きな困難の一つは、世の中に悪い情報源が蔓延していて、悪質な情報もばらまかれていることだ。左派の気候変動活動家たち(気候変動問題について何かしようと自身の時間と労力を費やす傾向が最も強い人たち)は、「100社の企業が世界の排出量の70%を引き起こしている」とか「10%の富裕層が排出量の半分を占めている」といった馬鹿げた主張をする疑似左派的な情報を入手してしまいがちだ。それから右派。彼らは、以前だと気候変動を否定することにやっきだったけど、最近になってグリーンエネルギーへの巨大な不信感(金融関係者を除けば、グリーンエネルギーは「恐怖、不確実性、疑わしい」)を煽り立てている。こうしたとりまく事象から、クタクタになってしまうんだ。結果、多くの人たちが、気候変動への議論を避けがちになってるんだと思う。 こうした状況には、本当にイライラしてしまう。世の中には、本当にたくさん
トマト、ナス、ブルーベリーなどは、1分間に2万回近い振動がないと花粉を放出しない。それができるのは、ずんぐりむっくりとしたマルハナバチなどである。ミツバチは小さすぎて、必要な振動を起こすことができない。気づかないところで、多くの昆虫が私たちの役に立っている。 しかし、森林伐採、農薬の使用、気候変動等により、全昆虫種の3分の1が今後数十年の間に絶滅する可能性があるそうだ。著者のオリヴァー・ミルマンは、この状況に危機感を覚え、多くの昆虫学者に取材を行...
著者:結城 正美出版社:岩波書店装丁:新書(248ページ)発売日:2023-09-20 ISBN-10:4004319889 ISBN-13:978-4004319887 内容紹介: 環境問題を考える手がかりは文学にある。ソロー、石牟礼道子、梨木香歩、アレクシエーヴィチ、カズオ・イシグロらの作品に、環境をめぐる文学研究=エコクリティシズムの手法で分け入ろう。人間に宿る野性、都市と絡みあう自然、惑星を隅々まで学習するAI──地球と向き合う想像力を掘り起こし、未来を切り開く実践の書。 エコクリティシズムとは「文学と物理的環境の関係についての研究」である。人間活動の地球生命維持システムへの破壊的影響に対する不安を、地球を守る運動にはせず、そこでの地球はどのような見地から捉えられているかと文学研究の立場から斬りこむのだ。そこには、「環境の危機は想像力の危機である」という認識がある。その通りだ。 ま
医学誌ランセットの国際調査によれば、熱波による高齢者の年間死者数は過去30年ほどで85%も増えた。異常気象でアメリカが被った経済損失は年22兆円にも上るともいう。今年、観測史上もっとも暑い夏を経験した我々にも腑(ふ)に落ちる数字だ。いうまでもなく、人類の経済活動こそが温暖化と環境破壊の原因だ。著者は、これまでの効率性に基づく「進歩の時代」と決別すべきだと主張するとともに、これを支えてきた数多(
今年の夏は世界各地で歴史的な猛暑を記録した。日本では熱帯夜が続き、海外では大規模な山火事や巨大ハリケーンによる洪水、一方で大干ばつ-。「知の巨匠」と呼ばれ、世界各国で政策アドバイザーを歴任した米国の経済社会理論家、ジェレミー・リフキンさんは「化石燃料に頼る産業構造を変えなければ、多くの生物が絶滅する地球規模の危機を迎えている」と断言する。 現生人類の誕生から20万年。その歴史からすれば、ほんの一瞬でしかない産業革命からの2世紀半ほどの間に温暖化ガスが急増し、日常となった異常気象が猛威を振るう。「人類は科学の進歩で自然を征服できると信じてきた。しかし、人類は大自然の一部分。適応して共生しなければ未来はない」
ごみ処理に関する経済学的分析を「奥深く、気が付けば30年近く」続けてきた。本書では、持続可能な生産や廃棄物処理を経済活動に組み込むよう仕組みごと再設計する「循環経済」の考え方が欧州で広がっていることを紹介。世界で厳しさを増す資源確保と環境問題を同時に解決する成長戦略として、日本のごみ問題を考える。 循環経済ではごみを減らすだけでなく、製造や流通の段階から資源再生を前提に原料や方法を選ぶなど全体を最適化する。廃棄物処理はコストがネックで、日本では「個人の努力による分別で成り立っている」と指摘。また「日本はうまく焼却処分する方法ばかり考えてきた」ため再利用の態勢が貧弱で、再生率10%を超えたあたりで損が上回ってしまうのが現状という。
東京の夏が100年前と様変わりしたことが、気温のデータの「見える化」で示された。東京で観測された1900年以降のデータを暑い日ほど濃い赤に、涼しい日ほど濃い青になるよう色分けすると、近年になるほど、夏がより暑く、より長くなった傾向が、はっきりと浮かんだ。 特に今年、2023年は9月末まで平均気温の高い日が続き、異例の厳しさだった。健康や命に関わる暑さへの対策は急務となっている。(デジタル編集部・福岡範行)
夏真っ盛りの8月下旬だが、とにかく毎日暑すぎる。昼外にちょっとご飯を買いにいくだけで殺人的な太陽に体を焼かれ、数分後に家に帰ってきたときには命の危険を覚えている。それぐらいに毎日暑いし、間違いなく毎年夏は暑くなっている。 とはいえ、こんなにも毎日暑い理由ははっきりしている。気候変動、地球温暖化だ。これによって地球の温度が実際に少しずつ増しているせいだ。30年前と比べて、世界各地で気温が50℃を超える日はなんと2倍になった。そして、多くの国々、企業が地球温暖化を食い止めようとしているが、しばらくは止まらないとみられている。 その場合何が起こるのかといえば、猛暑やハリケーンによる災害、乾燥地帯が増えることによる火事の増加、沿岸地域の水没などである。特に水没は厄介だ。そうなれば、住んでいた場所を離れ、別の場所へと移住を強いられる人々も出てくる。 本書『気候崩壊後の人類大移動』は、そうした「人類大
国内のみならず、海外でも反対や戸惑いの声が広がっているALPS処理水の海洋放出。実行する根拠の一つとされてきた“経済的”という前提が崩れつつある。 現在も毎日約100トンもの放射性物質を含む“水”が発生している福島第一原発。政府や東電は、多核種除去設備 (ALPS)によって、この“水”から“トリチウム”以外の放射性物質を除去した水を「ALPS処理水」と呼び、約134万トンもタンクに保管。今夏中に福島沖への放出を目指している。 「当初、海洋放出に関する諸費用は、34億円とほか4つの処分方法に比べて最も安価で、かつ放出にかかる期間も約7年と短いと言われていました。しかしフタを開けてみれば、当初試算より費用は10倍以上に。放出終了までの期間も、30年に延びています」 そう指摘するのは、福島在住のジャーナリストで原発問題に詳しい牧内昇平さんだ。 「政府は2013年末から有識者委員会を開いて、トリチ
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